アジサイの咲く季節、先人の彫刻を見ながら考えた

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いやいや梅雨ですね。シトシト雨かと思えばいきなりザーっと降ったりはっきりしない天気ですね。こんばんは石屋のけんすけこと清水健介です。

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道を歩いていたらアジサイの鉢植えがありました。

お墓の工事では石材用の接着剤を使用しているので雨の日とは相性が非常によくない。急いでいるときは別なのですが、強い雨の時は工事は休みとなってしまします。

時代は遡り うちのおじいちゃんの時代。雨の日といえば自分を整える日・道具を整える日・技術を向上させる日だったそうです。

“自分を整える日”は髪を切ったり髭を剃ったり身なりを整えるということ。

“道具を整える日”はノミなど日ごろから使っているものを研いでいたりしたそうです。ふいごとコークスを使ってノミに焼きを入れていたとも聞きました。

最後の“技術を向上させる日”これは彫刻などの加工を職人達で競ってやっていたそうです。そんな一枚。

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獅子の香炉 お線香を入れるもの

雨の日にはコツコツと昔の人はこういうのを想像の中から彫っていたのか、師匠みたいなのが彫ったのをマネしていたのかと想像しながら見ているとなかなか楽しいものです。

上の写真は獅子のみですが他にも唐獅子と牡丹という意匠があります。

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唐獅子牡丹図 東本願寺


昨日写真撮り忘れちゃったので今朝撮ってきました〜。

唐獅子牡丹の香炉


昔からよく使われている組み合わせで、よく職人達も「獅子牡丹」と言っていたのを思い出します。なぜこの組み合わせなのか?意味を聞いたけど

昔からあるからだよ~

の一点張り。よくわかっていなかったんですね。なので僕が調べてみました。

獅子は、百獣に君臨する王といわれます。その無敵の獅子でさえ、ただ一つだけ恐れるものがある。それは、獅子身中の虫です。我身の体毛の中に発生し、増殖し、やがて皮を破り肉に食らいつく害虫です。しかし、この害虫は、牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまいます。そこで獅子は夜に、牡丹の花の下で休みます。獅子にとっての安住の地が、そこに在るのです。

深い… 深すぎるぜ 唐獅子 と 牡丹の関係。

この唐獅子牡丹の図が僕らに聞いてるのは

あなたの依所()はなんですか。 あなたが安心して身を寄せられる安住の地は、どこに在りますか。

ということなんですよね。深すぎるよーーーーー。そしてめっちゃ仏教の教え系だね。

この意味合いを昔の職人はお墓の香炉にもってきたんですね。

この梅雨の天気の日に獅子の香炉を見たことは偶然なのかそうでないのか。昔の思い出を思い出して自分で調べてみて、昔の職人が伝えたかった想いを教えてくれました。

でもさ…この意味って皆知ってるのかな??ちゃんと意味合い伝えないと全然わからないよね。深いとこまでいけないよね…。やっぱり伝えることって大事だよね。黙して感じろってのもいいんだけどさ。ちょっと無理がある。

おっしゃ!!

t()bkこれからは僕が伝えていきます!

そんな使命感を覚えた日でした。

また明日!

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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