人の命の重さとは。

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行き交う人々はダウンジャケットを羽織り,つい先日まで温かい日だったのはウソのよう。

寒い東京です。

そんな今日はお客さまへソウルジュエリーの引き渡しでした。

いつも僕は言ってますが、大切な方を亡くした人が立ち直るには時間やキッカケが必要なんだと思う。

どんなに技術が発展したとしても亡くなった人自身を生き返らせることは無理なんだ。

だからそのポッカリと空いてしまった穴をふさぐのに人間には時間が必要だと僕は思っている。

今年うちの会社が創業140年になる。5代前の先祖から今までどのくらいの人を送ってきたのだろうか。お墓の形はこれから変化していってしまうのかもしれない。けれど太古の昔からそこにある”人を大切にする” ”故人への敬意”などは変わらずに続いていくだろう。

この「故人への敬意」は多くの人が持っている。しかし僕たちが提供できる手段がお墓だけではその立ち直るキッカケを必要としている人に対して不十分なのだと思うように最近なってきた。

今僕が取り扱っている手元供養やソウルジュエリーはまさにこの形なのだ。

ある日、とあるお寺さんで

ある日、とあるお寺さんで、ある方が僕にこう聞いてきた。その方はお墓終いをする人だった。

「石屋さん ほらあの…石屋さんだからさ ねっ わかるでしょ。お骨さ どっかにポイってできる場所知ってるでしょ?ねっ 」

僕は「そういう場所はありません。」ときっぱり言った。

日本には法律が存在し、その法律に則った形で埋葬しなければいけないことも。もちろんその形態として納骨堂や永代供養墓のこともご説明させていただいた。

その方は釈然としない顔で僕を見て

「本当にそうなんですかねぇ?」と疑うように聞いてきた。その後にこの手の相談で一番ある切り口のこの言葉

「年金のみで生活していて大変なんだ。」

ではなぜお墓終いの結論に至ったのかを聞いてみたが、あまり明確な結論は出ていないようでテレビを見ていて自分もあてはまると思い結論に至ったのだと。

最終的には

「正直私ねこんなことになるなんて思っていなかったんだ!」

お墓終いの結論は変えるつもりはないらしい。話していても堂々巡りでとにかくお骨はやっかいだという趣旨だった。

別の場所で女性が声をかけてきた

また別の日。お寺さんでの工事確認を終え軽トラを降り会社へ帰ろうとする僕を1人の女性が声をかけ引き止めて来た。

「うちのおこつなんだけど多磨霊園に預けてあるのよ。それでさ行くのめんどくさいから捨てちゃえないかと思ってさ。どこか知らない?」

奇しくも2人の60〜70代の年齢の方にこのような質問をされた。日本で今、表面に見えない何かが動いている感じがした。

それは脳裏の奥の方にうっすらとあって触れてはいけないもののように。重い扉がきっちりとしまっていて開いてはいけないもののように。

そうやって厳重にされていたところを誰かが、いとも簡単に開けてしまってメディアで拡散されていった。

散骨が簡単にできました。

お骨が3万円で捨てれました。

タカが外れてしまったように「故人への敬意」は価格が安い高いと比較されるようになり自分の意思をなくしたかのように他人もやっているから自分も大丈夫だろうとやっているように見える。

僕は思う

お骨はモノではない。意思は持っていないかもしれない、がしかし故人の意思は残っている。もしくは”僕たちが感じ取るべきもの”だと思っている。

言葉というものは不思議なものだ。

その人の日常や習慣 もしくは食べているものでさえも時にわかってしまう。人間の品位と言うべきか 非常に残念だが、最低限の死者への礼節などはこの「ポイ」や「捨てる」と表現した方達からは感じることはできなかった。

言葉は残酷だ。必ず自分に返ってくるという。生きているうちに発する言葉は周りの人に確実に影響を与える。人への敬意、故人への敬意がはらえない人は自分が同じ状況の時にはたして周りの人は自分にどのようにしてくれるだろうか。

先人達からの命の連鎖。

その人達がいなければ今の僕たちもいないのだから。

これは僕からのお願いだ。

「ポイ」や「捨てる」などの言葉をあなたの先祖に対して使わないでほしい。

HP⇒お墓参りの時にみんなが笑顔になるようなお墓の提案をします。清水屋のホームページ

blog⇒僕の日常や料理のこと、もちろんお墓のことを書いています。石屋のけんすけブログ

ウェブショップ⇒深川製磁の骨壺や手元供養の商品を取り扱っています

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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