法事って生きた人のためにやるものよね。

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昨日お客さんからかけられたそんな言葉から色々気付かされた石屋のけんすけこと清水健介です。

昨日は法事のお手伝いに行ってきました。石材店の仕事というものは多岐にわたるもので、石だけの仕事ではないことが多々です。埋葬については石材店の手を介さなければできないのですが、回忌法要の法事となると話は変わってきます。※本堂でお経を読み終わった後は墓所へ各自で行きお線香をあげるというのが一般的。

基本的には石材店はお手伝いをしないのですが、法事をけんちゃんに手伝ってほしいと御指名をいただきましてお仕事をさせていただくことが結構な回数あります。

別に特別なことをするわけではなく、墓石を洗い・草むしり等の墓所清掃などをしてお花などを生けるわけです。宗旨によっても違いますが古い塔婆があれば処分します。一番喜ばれるのがお線香をつけてあげて一人一人へ手渡しをすることです。

もう10年くらいやっているでしょうか?

お線香に火をともして

はい みなさんでわけてくださいね~!

ということは決してしません。

一人一人にちゃんと手渡しでするわけです。小さなお子さんやお身体の悪い方など参列者の方々の状況を見てお線香をお渡ししていきます。参列者が多くてお線香に火がつきすぎて大変だった経験はありませんか?そんなことがないようにペース配分したりするわけです。

このようなスタイルをとるようになったのはなんでかな…。思い出してもよくわかりませんが、たぶん自分がそうされて嬉しいと思ったからそうしてあげたいと思ったことが一番のような気がします。うちに当時いた一番年上の職人からは「チンタラやってんなよ健介!」と言われ「何で丁寧にやっちゃいけないんだ!」と言い返し喧嘩したような記憶があります。

よく言われるのが

他のお寺ではこんなことされなかったよー。

というお言葉です。

初めて行くお寺さんでも

石屋さんにここまでされたことはない

とも言われたことがあります。

他の石材店さんの埋葬方法がわからないので何とも言えないのですがドライな納骨式・法事なのかな??うちも昔はそうだったのであまり大きく言えないのですがね…。

僕は大切な人が亡くなった納骨式・法事なので 故人を偲ぶということを一番大切に考えています。僕らには年間やる埋葬の何分の1回かもしれないけど、喪主さん達には当たり前だけど唯一の1回だからね。本当に1回しかないからね。その1回を大切にしたいと僕は常に思っているわけです。

法事って生きた人のためにやるものよね。

う~ん。深い

昨日の法事の時に言われたことです。

先日エンディングノートをつくるという番組を見ていたのですが言われた言葉と共に考えることが色々ありました。エンディングノートとは

  • 生前にお墓がいる・いらない
  • 葬儀をする・しない
  • 法事をする・しない
  • 遺品整理・財産分与 等々 ※遺言とは異なる

のことなどを遺された人達が困らないように生前に書いていくというものです。エンディングノートを作っていくと実は遺された人々へある種負担になるように思う事があると思います。生きているうちに色々話し合って…ということもよく言うのですが、最近の家族のあり方がそうさせてくれないのも事実です。

親が子へある種 遠慮をする現実

現在サザエさんのように同居している家庭って自分も含め周りでどれくらいいるでしょう?ひと昔まえは東京でも多くの家庭がそうでしたが今では核家族化が進み親と同居することが少なくなってきています。同居していれば当然話す機会は多いと思うのです。

一方で離れて暮らすとあっちはあっち。こっちはこっち。のように気楽さは感じられるかもしれませんが肝心な老後・死後などのデリケートな話はなかなかできないような気がします。大切な人や親の喪失感というものは想像してみても、現実的に実感はできないものなのです。

たぶんひと昔前に作ったエンディングノートと今作ったものでは全然違うんだろうなと思う今日この頃。

遠慮 迷惑をかけたくない これが重なりお墓いらない、葬儀しなくていい。このような感じに思考は行ってしまうのかもしれません。

そのような多くの現実を見る中で法事の時に言われた「法事って生きた人のためにやるものよね。」という言葉は僕の中のモヤモヤをふっ切る言葉でした。この言葉は実感からきているものなのだと。遺された人々が大切な人を亡くし、そこから立ち直っていくために必要な過程なのだということを言っているように思えたのです。

別の納骨式でのある方の言葉

遺されたほうの気持ちにもなってくれよ。

この言葉と共に話を締めくくろうと思います。色々なことがあったんだよね。きっと。そしてそれを乗り越えなくてはいけない。お墓参りや法事、家に仏壇があればずっと問い続けるんだろうと思います。人はそういう時を徐々に乗り越えなくてはいけないんだな。

たぶん考え方は千差万別。色々な考え方があって当然です。しかし、僕は亡くなった人を偲んでいる人達を本当に多く見てきています。その現場での声をお届することでこのような難しい考えに答えをだす助けに少しでもなればと思っております。

ここ最近のコルチカム

さてさてちょっと小難しい話をしてしまいましたが、最近ハマっているものがこれです。咲いていく状況を順番に見ていってくれればと思います。

img_3805

10月7日

一日ごとに表情が違います。

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10月8日

生命の躍動を感じます。

img_3824

10月9日

はい。とりあえずこれが今日の状況です。どこが花の満開なのかな。またお伝えしますね!

それでは。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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