2016.3.11に思う

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伝える記憶 そして言葉。

東京八王子では雪が降っているとききました。東京はひとケタ温度です。こんにちわ。石屋のけんすけこと清水屋5代目予定の清水健介です。自己紹介についてはこちらをご覧ください。

今日は本当に特別な日です。この日になるといつもあの日のことを思い出します。昨日も書きましたが全優石で津波記憶石プロジェクトを5年間やってきました。

その活動の中で記憶に今でも残っているのは現地の人達の“言葉”です。発する言葉は何かに書いていないと人に忘れてしまいます。人の言った言葉も耳をすり抜けてしまうかもしれません。でも時に心に刺さるというか、脳裏に刻まれる言葉があります。釜石市唐丹(とうに)地区の人々の言葉です。

100回逃げて、100回来なくても、101回目も必ず逃げて 中学2年生

津波なんかに人は負けない。仲間がいるから、津波なんかに絶対に負けない 小学校6年生

つなみがきたらにげろを、むねにきざみ生きていこう 小学校4年生
地震が来たら高台へ避難!パニックになるな!絆をふかめっぺす唐丹!!負げねぇぞ唐丹 中学3年生

この言葉は津波記憶石に彫る文字を決めるために公募したものです。僕達は色々なアイデアを出し合い何を刻むか考えました。でも子供たちから出るその純粋な言葉にはかなわなかったことを今でもよく覚えています。

津波てんでんこ

「 津波てんでんこ 」とは三陸地方の言葉で「 てんでんばらばらに 」の意味です。津波がきたら他人だけではなく親や子どもでさえかまわず、それぞれ必死ににげよという古くからの教えです。こういう言葉が今でも伝えられている。僕は東京にいるけど、小さい発信かもしれないけれどこのようなことを伝えていければと思います。

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2014年ですが仙台にて津波記憶石プロジェクトの講演をしました。発信し続けるということは大事ですね。

発信しつづけないと忘れられてしまう。

鼓動感じる。縮小

気仙沼小泉小学校から2012年6月に撮った写真です。僕はここに鼓動 感じる。と入れてポスターを作りました。そして下の写真が2015年11月の写真

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ちょうど鼓動の“鼓”の字の右側くらいにハウスが建っています。案内をしてくれた気仙沼 及川市議にお聞きしたところ2ヘクタールの巨大「トマトハウス」が完成したそうです。ブランド名は「波乗りトマト とまたん」と言い、土を使わず、肥料を含んだ水で育てる「養液栽培」という方法で、年間600トンの生産を見込んでいるそうです。水量や肥料、室温の調節はコンピューター制御だそうです。従業員の制服はアロハ。なぜなら近くの小泉海岸ではサーフィンが盛んだからとのこと。

偶然にも僕が感じて写真を撮った場所、鼓動 感じるとインスピレーションを得た場所に大規模なハウスができて再生へ一歩ずつ動き出している。すべての被災した土地はスピードの差こそあれ景色を変えています。僕はまた現地へ行き、その空気を吸い、風景を写真に撮り伝えていければと思っています。

津波記憶石 大船渡市吉浜 建立までのストーリーの第二回をアップしました。ご覧いただければと思います。http://www.shimizusekizai.com/tsunami-kioku2/

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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