世の中が変わってるんだもん。お墓も変わるよそりゃ。

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昨日、報道の番組を見ていたところ印象に残ったフレーズがありました。世の中は70~80年周期に変わる。社会学の学者さん達の間で有名な説らしいです。

今日はちょっと難しい感じではじめてみました。こんにちは石屋のけんすけこと清水健介です。ちょっと今日はかなりまじめにお墓のことを考えてみたいと思います。

日本の歴史を振り返ってみれば明治維新から戦争が終わるまで。戦後から現在までだいたい70~80年くらいの間でおさまっており、今変化の真っただ中ということです。変化ということで世界に目を向けてみればイギリスのEU離脱やドナルド・トランプが大統領、株価は上がっているのに景気が悪いとみんなが言っている状況。このように目に見える形で世の中が変わってきているのを実感できます。そしてスマホの普及によってすぐにその情報にアクセスできる時代です。今までの当たり前が違うものになっている時代です。

大きな価値観の変化は現実に起きています。それは間違いなく僕達の業界である、墓石業界・葬祭業界にも当然ながら影響を与えます。

夫婦へのアンケートでは旦那さんと一緒に奥さんとお墓に入りたくないという希望は60%ほどになっているとのことです。実際できるかは別としてね。数年前“熟年離婚”というものがメディアを騒がせ今もなお現実に起こっているのだとおもうのですが、“死後離縁”というのも今はあるそうです。夫の親族との付き合いを絶ちたいということから葬式後に手続きをするとか。ちょっと昔ではありえなかった話がでてきています。

この話は奥さん側の女性目線での話なわけです。女性の社会進出といわれてからもう何年が経ったのかわからないですが今のお墓というのは当然仏教の教えもありますが、男性目線いわゆる家父長制が作った体系です。

女性の姓名が結婚とともに変わる、夫の姓の墓所に自分もはいる。今まで当然だとおもえたことが、社会情勢や女性の社会進出、地位の向上。そりゃもう色々な要因によってズレ始めているのかもしれません。こういうところに「ひずみ」のようなものがでてくるのだと思うわけです。

つまり色々な価値観があったっていいじゃないかって今は世論も含めて認めている時代です。昔はみんながそうだから同じであれということでみんな平均、みんな同じという感じです。今は価値観の変化、いや価値観の多様性を表現してもいい時代になったのかな。

そんなこんなで70年周期をお墓に対して当てはめてみると、江戸時代の頃は夫婦墓・個人墓が主流だったのが関東大震災・戦争が終わり代々墓(何々家之墓)が急速に広まっていった。そして今メディアを賑わせている墓終い、樹木葬、海洋散骨、ペンダントに宇宙葬…。さきほどの70~80年という周期に照らし合わせると合うんですよね。そんなことを考えていると僕としてはお墓の価値観も形も変わって当然なのかなと思えてしまうわけです。勘違いしてほしくないのはすべて変わるわけではなく、みんなに認知されるということです。

こんな流れでしょうか。

  1. 既存の要望希望に合うサービス・価値観が世に出る
  2. キャッチーなフレーズと共に浸透しだす
  3. メディアでの取り上げ方から世間に認知される。
  4. 認知されると選択肢の一つにレギュラーとしてなる。

今まで僕達があるいてきたお墓の業界というのは僕達のおじいさん、そのおじいさんくらいから作られたものです。これからは新たな提案が必要になってくるわけです。超僕的な提案をしてみようかと思います。

“個” と “生きているうち”

こういうことがこれからのキーワードになってくるのではと思うのです。具体的に言うと男性目線で作られてきたお墓だからこそ女性目線のお墓ということも大いにあり得るわけです。

女性専用の墓域をつくり生前からのコミュニティーを形成するようなことはどうでしょうか。ヨガ教室や趣味の教室など自分の好きな分野での交流をすることができます。現実の触れ合いもそうなのですが、スマホの普及によって容易にコミュニケーションを取れるようになっているわけなので全国での仲間つくりができます。半年ごとにオフ会をしてもいいでしょう。

奥さんが家事や育児に追われ家で孤立するということはよくある話だとおもうのですが、同じ地域の人との付き合いが少し苦手という方もこのような共通の“好き”で生前に繋がるということはこれからの時代のスタンダードになるように思えます。というか今すでにそのようなモデルはあると思います。それとお墓が結びついてくるような気がします。それを可能にするのがスマホでありソーシャルネットワークなわけです。

一方で話としては女性限定にしましたが、究極はおひとり様専用というお墓の形状も普及していくと思います。生涯未婚率が高くなってくればそもそもお墓を一族で維持ということは当然できません。現在一部の霊園などでは生前からの墓友という形でコミュニティーをつくっているケースもありますが、まだまだ大々的に普及するところまではいっていません。あっ!ちなみに墓埋法ではお墓の承継は血族とかに限定はしていません。特段の規約がなければ友達への承継もOKなんです。

これからのキーワードとして

女性墓

ペット高齢化

婚姻関係の価値観

死後離縁

家族関係の多様化

同性婚

世の中を賑わすキーワードは今を写す鏡です。これを発想の素にしてこれから未来の墓地の在り方を考えていきたいと思います。

よく行政などで官民一体という言葉がありますが、この70周期での変革期には宗民一体でやっていく必要があると感じました。行政の数より当然宗教法人のほうが多いからね。宗教というのは社会情勢に左右されるべきではないという考えは当然なのですが、寛容性を持ち合わせているのが日本の仏教だと思うわけです。

そんな2017年の始まりです。連休が終わりまして会社員の方々はもう仕事をされていると思いますが、一般家庭は明日くらいでやっとお正月明けかな。必要とされる会社。必要とされる人でいつまでもあれるように必死で考え、実行していこうと思います。

今日はこんな文章のみの形で。たまにはいいね。ではまた。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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