石材店の仕事は関係性という言葉しかないのかもしれない。

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納骨にて思う。

昨日は僕の誕生日で全国の方からお祝いをいただき本当に感謝している石屋のけんすけこと清水屋5代目予定の清水健介です。自己紹介についてはこちらをご覧ください。

誕生日である午前中、僕はたぶん一生忘れない仕事をしていました。

僕のブログカテゴリーの中で今後、納骨日誌というものがでてきます。内容としてはその名の通りなのですが、人はどんな人でも生まれていずれ亡くなります。ものすごいお金持ち、お医者さん、すごいばくち打ちetc…人の人生は無数にあれど亡くなって僕の手によって最期にお墓に入っていきます。僕は納骨回数1000回を超えると自己紹介に書いてあるのですが、正直それ以上の数をやっています。その経験の中で思うのが納骨(埋葬)の瞬間には亡くなった人のすべてが出ると言っても過言ではない。これはお墓を作ったあとの話です。どのように人々に語られるか。記憶に残っていくかです。亡き人を弔うということはどうであるかの話しです。

昨日のご納骨はある若い御夫婦のお子さんでした。流産だったそうです。御夫婦のお父さんとはつい先日お墓を立て直した関係でよくお会いしお話も何回もしていました。

電話がかかってきた時はものすごく暗い口調だった。納骨が急に決まりました。と

僕は言葉が出ず、何を言っていいかもわからず ただ、ただ

しっかり務めさせていただきます。

としか言えなかった。そして日付は僕の誕生日でした。

僕にはそういう運命のところに生きていると実感しました。墓守(はかもり)としての使命を感じたのです。

僕ら石材店が何かできるなんてうぬぼれ。

最後に骨がめを入れるのは僕なのですが、皆さんに触れていただきたくてみなさんにお骨壺を触っていただきました。御住職による読経が終わり、納骨式は無事に終了いたしました。

皆さんが帰る前に実は僕は今日誕生日なんです。と話しました。普通はそんなこと話しませんよね。実は今朝自分のお墓にも参ってきたことを。僕にも実はお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて流産で亡くしていることもお話しました。

命日と納骨日で日にちは違えど、今日のことは僕は一生忘れません。毎年この日に手を合わせにきますよ。と言いました。

お父様も若い御夫婦も御親戚の方も泣いてしまい。僕も泣きました。

僕はその時、清水屋の専務としてではなく 清水健介として向き合った

仕事という薄い言葉ではなく、人間としての関係性でまっとうしたといったほうが正しいかもしれません。

その命日の数日前に僕はこんなツイートをしていました。やはり僕らはこれ以上でもなくこれでしかない。またお彼岸やお盆にそして日常のお墓参りにて墓地でお会いしましょうと言ってお別れをしました。

そんな午前中から誕生日、そして…

僕の誕生日は結婚記念日でもあるの夫婦で食事を丸の内でしていました。食事が終わる時間が近づき僕にはある人の顔がずっと浮かんでいた。

佐藤さん

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ご紹介します。茗荷谷でパンケーキとワインのお店アプリカーサを営んでいる佐藤さんです。

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うちら夫婦の共通の友人なのです。

今はなくなってしまった上板橋のお店でお会いしてから意気投合。僕らの結婚式にもご出席いただきました。佐藤さんにはあだ名がありその名も

ダンディー佐藤

フランスのワイン生産地まで行き買い付けしにいくほどの人です。セラーも大きいのがありリーズナブルなワインから掘り出し物!?のスゴいのまであります。パンケーキは女性に非常に人気が高く、牛筋カレーなんてのもあるんです。店内には佐藤さんの優しい笑顔があり、たまにおとうさま声楽隊が同席したときは一緒に歌ってくれたりします。

年末から行くと約束していたのですが、なかなか予定があわず誕生日&結婚記念日の二次会におじゃましました。

昨日は人の縁、関係性、色々なことを考えながら奥さんと一緒に佐藤さんの店で飲みたかった。そんな夜でした。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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