石屋のけんすけ父になる。

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巷ではワールドカップの話題でもちきりなのですが、今日は東京のお盆の迎え火です。

ご先祖さん達がおうちへ帰ってくる日でもあり、僕達も忙しい時期でもあります。

こんにちは。石屋のけんすけこと清水健介です。

第零話 見知らぬ、長椅子

僕はそんなお盆の大半の時間をお寺でも会社でもなくこの椅子で過ごしました。

はい。

病院です。

妻が深夜から産気づきまして朝から病院に来たわけです。妻が妊娠していたことはブログでは一切語っていなかったのですが、今日解禁です。

朝5:30くらいでしょうか。僕の部屋をノックする妻の顔は苦痛で歪んでいました。

ついに来たか。

これが本音です。予定日が9日だったもので4日が過ぎていました。本当に陣痛なんてくるのかな…。

来るんです!(川平慈英 風)

物凄く痛かったみたいなのですが、僕はまずお寺さんに行ったんですね。お盆の迎えの日なので色々なお仕事やお手伝いがあるわけです。

なので妻が陣痛ということを直接お伝えしてから病院へと向かったわけです。

時間は8時頃でしょうか。

妻は数分おきに来る陣痛に耐えるため、車のシートベルトをギューーーーっと握っていました。痛いとかのレベルを超えていましたね。

病院へ着きますと色々な検査があるのですが、僕はあの椅子へと通され待機することになりました。

産科なので多くの妊産婦さんを見るのですが、みんな仕事をやりきったという御顔をされておりました。この時にはまだその本当の意味はわかっていないのですがね。

はい もうずっと↑こんな顔で待っていました。旦那は何もすることができないんですよね。

すっとこの長椅子です。

2時間弱でしょうか。座っておりましたら

旦那さん~!

と呼ばれまして。

行ってみるとすでに妻は分娩台の上でした。

おぉ!まじか

という感じでキックオフとなったわけです。

僕は分娩台の横に立ち、妻のサポートです。

役割なのですが、

氷水で汗ふき、うちわで風、マッサージ、水分補給補助、声かけ

でしょうか。もう言われるがままです。こちらの気持ちの準備などまってはくれません。

助産師さんが妻へ陣痛室を通り越して、分娩室まできたこと優秀とおっしゃっておりました。自宅でもの凄いがまんしていてくれたのでしょう。早すぎもせず、遅すぎもしなかったそうです。

事実、陣痛室には多くの妊婦さんがその時をいつかと思いながら待ち続けておりました。

そして試合が始まる。

陣痛は3分間隔でしょうか。

一番痛い時におもいっきりいきんでください!

と助産師さんチームがアドバイスです。

破水はすぐにおきました。

いきんだ後は大きく深呼吸。

鼻から大きく息を吸って、口から大きくはく。

赤ちゃんは出て行こうとするときに苦しいらしいんですよね。なので酸素をいっぱい送ってあげるためです。

ふぅーーーー!!!といきむ時は目をあける。声を痛いとかださない。要求は厳しいものです。

僕も一緒にふぅーーーーー!!とやっておりました。昔ロングブレスダイエットってあったよね。あれです。

何回陣痛と共に妻はいきんだでしょうか。その度に大量の汗をかき、苦痛の表情です…いや苦痛以上なので言葉が見当たりません。僕は氷水で顔を拭いてあげることしかできなかったです。骨盤の中をとおってくるので赤ちゃんの頭が通る時に尋常じゃない痛みが襲ってくるのが伝わります。

骨盤の間に赤ちゃんの頭が挟まっている時は まさに拷問?そんな感じでしょうか。

あまりのいきみで力が入っているのか、点滴の管へ血が逆流していました。衝撃的だったな。

時間はどんどん過ぎていくのですが、出てくる気配はありません。

深夜からの陣痛で寝むれていない妻の体力は奪われ気力は失われていっているのがわかりました。

本当に産まれますか?

妻は言いました。

看護師さん達は声をせいの!と合わせたかのごときタイミングで
産まれます!!

と言ってくれました。

お母さんもつらいけれど、あかちゃんもつらい。早く会いたいでしょと励ましてくれていました。

陣痛間隔は少し伸び出していましたので陣痛促進剤の力を借りて最期のスパートです。

助産師さんチームはプレイヤーではなく、サポーターです。奥さんがプレイヤーであることは間違いないのですが、明らかにみんなが一緒に戦っていました。

1つの命を無事に拾い上げるために。

いつのまにか分娩室には10名以上の人がいました。それは1つのチームでした。

サッカーの日本対ベルギー戦のようにテレビ前で多くの人が一緒に言ったように

10名以上の方がいっせいに

頑張れーーーーー!!!!!

さっきまで何回ものいきみをし続けたせいで体力が失われていた妻にこの声が届いたのか最後の底力がでました。

これはすごい。人の応援のパワーは時に自分の力を引き上げる瞬間を僕は体感しました。

オギャー オギャー

赤ちゃんが無事生まれました。

分娩室に入って3時間でしょうか。

初産でしかも陣痛から約12時間。安産でしかも普通だそう…。

こんなにもしんどいのに安産…難産って…と考えるだけで恐ろしくなります。お産は命がけ。初めて意味がわかったかもしれません。

12:57 3154gの女の子の赤ちゃんでした。

スッピンの妻は勘弁って

ある方が言ってくれました。
お盆の迎え日に誕生したのは沢山のご先祖様から祝福を受け守られているのかも知れませんね(^^)

もう本当にありがたいお言葉です。

はじめての自分の赤ちゃん。緊張で顔がおかしくなっています…。

いやいや妻に感謝です。そして赤ちゃんきてくれてありがとう。これからもよろしくね

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ウェブショップ⇒深川製磁の骨壺や手元供養の商品を取り扱っています

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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