一週間前のアナザースカイを見て思ったこと。お墓としての佇まいとは。

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こんにちは石屋のけんすけこと清水健介です。

今日は一週間前の話。

僕はアナザースカイという番組が好きでよく見るのですが、一週間前の回のゲストはピアニストの清塚信也さん。ドラマの『コウノドリ』でのテーマやゲームではメタルギアソリッドの音楽など様々な音楽を手掛けています。ちなみにこんな感じの楽曲です。

僕が清塚さんを知ったのは『 関ジャム 完全燃SHOW 』という音楽番組。この番組は本当に面白くて色々なジャンルの音楽をプロのミュージシャンやプロデューサーなど様々な人が解説するという番組。

たとえば

この楽曲はヨナ抜き音階になっている。 同じヨナ抜き音階の曲といえば坂本九さんの「上を向いて歩こう」 なのでこの楽曲は同様に哀愁がただよい人の心にすっと入っていきやすい構成になっている。

みたいに普段何気なく聞いている曲を詳細に解説してくれるんです。

その清塚さんのクラシックの説明の回が非常に分かりやすく、すごくクラシックが身近に感じたんです。清塚さんがテレビに出るという時は見たいなと思う人なんですよね。

そんな清塚さんのアナザースカイの地はポーランドのワルシャワ。

ポーランドといばショパン

清塚さんはかつてショパン国際コンクールに出場し賞をとるためにがんばったポーランドのワルシャワを訪れます。

番組内でショパンについて紹介されていましたが、ショパンは結核のため39歳の若さで亡くなったそうです。

遺言は非常に有名で

体はフランスに埋めて 心臓をワルシャワに持ち帰ってほしい

姉のルドヴィカが遺言を実行し聖十字架教会の柱に埋め込まれているそうです。

多くの方がこの場所を訪れるとのことです。

清塚さんはポーランド出身の名ピアニストのハリーナ・チェルニー=ステファンスカさんに師事されショパン国際コンクールのため練習に明け暮れていたそうです。

コンクールへの参加に区切りをつけようと思った清塚さん。落ち込んでいた氏にとってハリーナ先生はコンクールのためにピアノを弾いていたのではなくて、ピアノやショパンを愛してやっていたはずなんだからそのままやっていくのよ。と言ってくれたそうです。

何のためにピアノを弾いているのか。忘れかけていた大切なものを取り戻したそうです。

この励ましの言葉をくれた翌年2001年 ハリーナ先生は78歳で亡くなっておられます。

親孝行のようにお礼を言いたかったと清塚さんは話しておられます。

番組の中でハリーナ先生の眠るお墓へと向かいます。

清塚さんは

“ハリーナ先生に逢い“にっていう感じがするから。

とおっしゃっていました。

お墓ってやっぱり本来こういうものなんだと思うんです。人には故人を思い偲ぶときに対象が必要なんだと思う。

故人はなくなっているので当然話しかけても答えは返ってきません。自問自答です。ですが、文字が刻まれているだけで、そしてお墓の前で手を合わせることで感情移入できることが人の元々持っている感覚なのだと思いました。

墓地の中、一輪のピンクバラを持って墓地を歩く清塚さんの姿が非常に印象的です。

先生はピンクの花が好きだったそうで清塚さんは一輪のバラを墓所へそっておいておられました。無言の空間です。何を心の中で語っておられたのでしょうか。一言ハリーナ先生の娘さんへ「ありがとう」と言い 娘さんも「ありがとう」と答えているシーンが印象的でした。

このシーンを見て僕はあらためてお墓は遺された人のためにあるものだと思いました。

先日お墓の博士で有名な吉田剛会長と吉村作治さんの「日本人のお墓はこれでいいのか」というシンポジウムに参加しましたがその中で吉田剛氏が「納骨堂、樹木葬、ロッカー式などの遺骨の預け場所とお墓は根本的に違うのではないか。」という言葉をおっしゃっておられました。

アナザースカイを見ながらシンポジウムの話、そしてあるお彼岸のことを思い出しました。

先日の3月お彼岸の入りの日にとあるお寺さんで埋葬の仕事がありました。普段お付き合いがないのですがここ数カ月で何回か埋葬の仕事をさせていただいております。

お彼岸の入りというのはお参り客で多くの方が訪れます。ピークの時間はお昼。

実はそのお寺さんは樹木葬があります。樹木葬といっても桜などの木はなく、直径30センチほどの黒い丸型のプレート石がずらっと並びその下へ埋葬。その周りには龍のヒゲが植わっている感じです。木がいっぱいあるようなイメージを持つ方も多いかと思いますが樹木葬という言葉の定義はなく、様々な形があります。

そして埋葬までの時間ずっと見ていたのですが、

お昼のお参りのピークの時間。一人もお参りは来ていなかったのです…。

一人もですよ

一方で一般墓所はお参り客でいっぱいです。

偶然??

うーーん。

はい。埋葬しました。これで終わりです。まさに会長の言う通りにお骨の預け場所。お墓としての佇まいがないというように勘ぐってしまうのは僕だけなのでしょうか。

ショパンの心臓がある柱や清塚さんが行ったハリーナ先生のお墓。お墓のたたずまいというのは遺された人達が逢いに行きたい場所なのかもしれません。

お墓とは故人に逢いに行ける場所。
お墓とは大切な故人と話せる場所。

アナザースカイを見ながらそんなことを思っていました。

清塚さんとショパンのアルバムを載せておきますね。

それではまた。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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