お墓の外柵共有化の解決策とは

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お寺さんがイライラしておりました…。理由はお墓の境界が共有になっているからです。

こんにちは石屋のけんすけこと清水健介です。

お寺さんからは

またか…

との声が聞こえてきそうです。

お墓の境界地が共有になっているとなんでダメなの?なんで大変なの?ということは以前ブログでも書いておりました。その時のブログも見ていただければと思います。今回は具体的に色々解説できればと思っております。

これは以前書いたブログね。

お墓の境界地が共有になっている?

さてさて、今回の件については僕の先祖が作ったお墓でもあるわけで、やはり数十年間の共有状態を改善するのも僕の仕事となるわけです。なんとか皆さんに納得いただき穏便に解決できればと思います。

事例別の解説

さて、まず考えなくてはいけないのは2つ。墓地の現状と使用者さんです。お墓については後述しますのでまずは使用者さんから。使用者さんとは墓地の管理費を払っている人で権利者ということになります。お墓の使用者さんが1人だけなら問題ないのですが、外柵共有というくらいなわけで当事者が2~3人。もしくは4人以上なんてこともあったりします。

通常は話し合いをするにあたっては当事者間が原則です。

でも…。親族ってずーーっと仲が良いわけでは決してないのもまた事実。

仲がよかったらスパっ!と話は終わるのですがね…。

仲が悪い。

疎遠になってしまっている。

分家さんの一部は絶えてしまっている。

もう様々な事由があると話はややこしくなっていきます。

その時の話の仲介役が石材店であったりお寺さんであったりするわけです。最近墓所の返還が多いわけで…時流的に外柵の共有での建墓が多かった時期のものが返還されていきます。お寺さんもお施主さんのそれぞれの予定に合わせてお話をされています。それぞれに言い分があり、解決しなくてはいけないことも一筋縄ではいかないことも多い。そりゃイライラも積もるというわけです…。またお寺さんが自分の意思で許可していない場合もある。先代さんが許可して先代住職さんはすでに亡くなっていて当時の状況はよくわからない。こんな感じでね。これ本当によくある話です。

少し長くなりましたが、はいこれ。お墓の絵だと思ってください。

中の四角が墓石ね。A家B家と外柵が共有化されている。

A家とB家のはなし

一番手っ取り早い共有の解消方法は

墓地使用契約書に墓地面積が表記されているか否かを確認

別名では永代使用許可書・墓地使用書

東京の都立霊園ではこの使用書に書かれていますのできっちりわかると思います。ただ…現在共有ってことはルール決めが曖昧だった時代のはず。明記がちゃんとされているのか微妙な話です。霊園の管理事務所へ訪ねて行って聞いてみるのがいいでしょう。

さて、明記されていた場合。A家もB家も敷地面積が同じであったならば等分ですね。

敷地面積もそうですが、墓地管理費が設定されている場合。面積が同じであれば同額であるはずです。もし墓地面積が等分なのにうちのほうが多く管理費払ってるんじゃね?というような場合は管理者に聞いたほうがいいかもしれないですね…。これはほとんどが野墓地、共同墓地、お寺さんの場合だと思います。

さてさて等分での境界線が確定しましたら外柵を分離します。

簡単に上記のようにペンでサラっと書きましたが…。外柵の共有状態にもよるのですが、一旦両家共に更地にしなくてはいけない場合もあります。一方の石材を再度使うなどの場合は敷地面積に合わせて石材をカット、再研磨などの工程が必要でその後再据え付けとなります。

※なぜ更地にするの?外柵の共有状態を解消したいという時には外柵がボロボロで直したい。この際共有状態も一緒に解消しよう!というケースが圧倒的に多いため。部分的にやろうとする場合は敷地面積が相当広くないと難しい。そもそも首都圏墓地は手狭のため共有という長屋的感覚が生まれているので敷地が広い場合は共有ということにならないのです。

等分に分割できない場合

本家、分家のような関係であらかじめ決められている場合が多いです。前述のように管理費を一方のほうが多く払っている場合もこれに該当すると思います。

点線の部分が確定し次第 切り離しを行い外柵を分離、再据え付けや新規外柵製作をします。

例外

はい。数学でもなんでもそうですが基礎ってのはすぐできちゃうんです。簡単じゃん!スラスラ~って解けます。その後は応用問題があるのが“あるある”ですよね。

はいこの図。一見しただけではなんのこっちゃわからないものですが。お墓の中に自分達で作った参道があります。A家B家の前にはお寺さんの参道です。まぁ都道・国道みたいなもの。A家B家とC家D家の間には私道にあたる参道があります。

戦後だと思うのですが、古く大きな一つの墓域に4つの家のお墓があったわけですね。それをどの時点かで共有状態を分割した。A家B家はもう新しくなっていますがC家D家はまだ古いままです。

複雑な共有化を解消するには未来のことも考えた議長のような存在が必要。

これ重要。ある程度の解決案の未来予想図が見えている人が取りまとめないとまずいです。場当たり的な解決は何年か後の子孫に問題を先送りするだけになります。

当事者間それぞれの立場を聞いてすべて意見を出しつくした後に解決方法をさぐるわけです。解決までには何年もかかることもあります。

例外の例外

何年もお墓参りには行ってなかった。ある時お墓を見に行ったらこのような状態になっていた。

僕はB家の人間でA家の人からは一回も連絡がきていないし確認もされなかった。

はい。

これもあるケースですがヤバいです。石材店と当事者間で勝手にやっちゃった可能性があります。石材店へはお施主さんよりこのようにやってくださいと指定があらかじめ入っている場合もあります。業者も当事者間で確認をとっているものだと思い施行しているケースがありますね。野墓地・共同墓地などに多いかもしれません。

こうならないようにするためには?

お墓参りへ定期的に行く。

まぁこれはありきたりな答えかもしれないですが、やっぱり最後の最後はここになるのかな。久しぶりにお墓参りへ行ってみませんか?

それではまた!

HP⇒板橋・練馬でお墓を建てたい。墓所リフォームのことなら清水屋

blog⇒石屋のけんすけブログ

ECサイト⇒手元供養や深川製磁のお骨壷などを取り扱っています。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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