墓終いってなんなん?

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飲みながら墓終いの相談をうける

昨日飲み過ぎて大イビキをかき奥さんに怒られた石屋のけんすけこと清水屋5代目予定の清水健介です。自己紹介についてはこちらをご覧ください。

すいません。反省してます。お酒ひかえます。

さて、昨日は美容師の田口さんと和菓子職人 山内さん 保険屋さん(たしか)の通称クマさんとしこたま飲んでいました。そのひとコマでの出来事。

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偶然にも右隣にいらっしゃった方が弟の同級生のお父さん、お母さんだったんです。

お店はすごく小さいので肩がつくくらいです。僕が石屋さんなのを知っていたのでその奥さんと話はディープなほうへ…。

今お墓終いって流行ってるじゃないですか~。うちも考えなきゃなって思ってるんですよね~。でもお骨を家に持ってかえってくるというのは違和感が私的にあるんですよね~。

と奥さん

はい。流行るって何なんですかね…。

飲んでますがマジけんすけモードでいきました。

基本情報ですがお墓は

  • 永代使用権というものがある。
  • 原状回復義務
  • 埋葬とは

まずは永代使用権ですが今は色々なところに記述がありますが、あくまで使用権なのです。所有権ではないですよ。ここが注意。転売することはできません。永代に渡って使用する権利を得ているだけなのです。

今言われている墓終いというのをするとこの使用権をお返しするということです。墓所を得た時に払った永代使用料・墓地使用料はかえってきません。デポジット機能みたいなのはないんですねー。

その次。使用権を返したら原状回復義務が生じます。

難しい言葉ですね~。

つまり

元に戻してね。

ってことです。更地にするということです。当然のことながら解体・処分費がかかってきます。

一番重要なのは最後の埋葬とはなんぞやです。

お墓は墓地としての許可を得ています。日本では亡くなったら火葬されます。そして葬儀場などで証明書が発行されます。お骨を埋葬する時に墓地と許可を得ているところしか埋葬できないのです。そういうことが墓地埋葬等に関する法律ということに記載されています。要はお墓・埋葬に関わることを規定している法律です。おうちでお骨を持つことは埋葬ではないのでOKですよ。

ほんじゃあさ今メディアとかに取り上げられている散骨とかは?

「墓地埋葬法は遺灰を海や山に撒く葬法は想定しておらず法の対象外である。」としており法律が追いついていっていないのです。

グレーゾーンというのはよく法律にあります。解釈論とかね。やっちゃダメって書かれていなければOKなんです。そして今各地で散骨を禁止する条例とかも出てきています。法律より制定しやすいからね。

結局どこかへ埋葬しなくてはいけない。

今回の奥さんもみなさんからよく御相談を受ける内容を話していました。子供達に迷惑かけたくないのでお墓終いしたい。

でもお墓を解体・永代供養・散骨という流れもいいのですが結構これがお金がかかります。お墓を維持していくことのほうが金銭的にいい場合もある。今一度考えてみましょう。

でさ奥さん、

お骨は家に持ってかえるんですか?

じゃあ御夫婦が亡くなったらどうなるんですかね?

やっぱりどこかへ埋葬しなくてはいけないんですよ。お墓がなくなっていたら、もしかしてですよ。お子さんは自分の両親のお墓をもう一回建てるかもしれない。

奥さん悩んでいました。そうだったのか。そうだよね。って

つまり流行っているからやるようなものではない。

子供に迷惑かけたくないって いつから子供との距離ってそんなんになっちゃったんですかね…。お墓とかの話の前に介護をお子さんがしてくれないですよ…。

お墓終いという流れは自分に子供に迷惑をかけたくないという気持ちがある。それは子供への遠慮。子供との溝、介護してもらえる?老人ホーム?結局お金かかりますよね。

たぶんそれは負のマインドの連鎖だ。

今日お会いしたお客さんはお墓の解体依頼でした。これは旦那さんが脳梗塞になってしまい車が運転できなくなってしまった。お墓が家の近くでないとお墓参りができない。こういう場合はしょうがないですよね。

お墓終いは流行りではない。
各家庭にある様々な事情を考慮すべき。
安易に散骨という選択肢ではなく、色々な選択肢を考えるべき。
自分が子供に迷惑をかけたくないからお墓終いする。でもお子さんではなくその孫はおそらくあなたのことは覚えていないし思いだせない。
だって思いだす場所を自分で放棄しちゃってるから。

自分のルーツを見つめる年齢がある

実は散骨をしたひとの6割くらいは後悔しているという報告もあります。人間は記憶を振り返って色々なことを考えます。僕は自分のおじいちゃん・おばあちゃんを知りません。自分の生まれる前に亡くなってしまっているから。

でもお墓に文字が刻んであると本当にいたんだな。と実感がわきます。そんなことを考えられるようになったのは20歳超えてからです。

お墓のことを考える時には子供もそうですが、孫のこと考えましょう。横にいる孫にずっと自分のこと覚えておいてほしいですよね。そういう場所を遺しておくことは重要な意味を持つんです。今じゃなくてすげー後に。そして案外子供ってのは自分の両親を迷惑だとか重荷とか思ってないですよ。それも受け入れられる年齢に成長したときにね。

孫の顔 見つめてやめる 墓じまい

けんすけ 駄作中の駄作

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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