38歳と92歳の旅立ちと別れ

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こんにちわ。石屋のけんすけこと清水健介です。先週は会議なども重なり、その後の懇親会へと続くもので週6くらいでお酒飲んでました。そんな状態ですから色々書こうかと思う妙案は浮かび話せどメモっていないので記憶は雲のかなたへ行ってしまったようです。疲れもたまっていたので少し休みモードでの運転でした。

僕らの仕事は故人の新たな旅立ちのサポート役なんだ。

昨日の日曜日はスカッとした晴れで汗ばむ陽気でした。土日といえば僕らは大体埋葬があります。また複数の方を同日にやることが多いので奇妙な縁を感じることがあります。そんな昨日でした。過去の納骨日誌についてはこれこれをご覧くださいね。

一般的に亡くなられた日から49日を目安に埋葬されます。埋葬日は49日以内で参列者の方々が出席しやすい日程の土曜か日曜になるわけです。

お寺さんから送られてきたデータを見て僕は胸が熱くなりました。

送られてきた書類をみると同日に2人亡くなられ、埋葬日程も同じ。

92歳のおばあちゃんと

38歳の男性 後から知り合いの方の息子さんだと知りました。

僕と同じくらいの年齢の方と大往生といってもいいところまで生きた方。同じ人なのにこうも人生は変わってしまうという事実を見るわけです。

埋葬当日の僕は少し緊張していました。人が亡くなられるということは本当に悲しいことです。ですが納得いく亡くなり方と不条理にも思える死というものは全然違うのです。若い人が亡くなられるということはいつも辛いものです。埋葬にはある種の緊張感のようなものが立ちこめていました。

本堂での読経が終わり皆さんが外へでてくると、EXILEのような風貌の方々が多くきていました。見るからに屈強な人達でした。故人の友人だったそうです。

その屈強な彼らの落ち込み方とワイシャツからはみ出して見える野球のインナーシャツ。着なれない喪服を一生懸命に着て参列したアンバランス感が故人のあまりにも早すぎる死をより一層際立てていました。

最後に骨壺に触れるのは僕です。白木の箱から出し持った時の重さはズシりと感じました。埋葬を何回もやっているとその重さでどのような最期だったのか、体格などもわかってくるのです。長い闘病生活でもなく急逝だったとのことなので骨の重さはしっかりあり、重さからかなり体格のいい方だったと推測できました。※関東は火葬後、全骨の収骨です。地方によって一部収骨など慣習が違うところもあります。

普段はそのまま埋葬するのだけど、今回は最期のお別れに皆に骨壺を触らせてあげました。

友人達は泣きながら骨壺を触り、最期に友人と話すかのように触っておられました。

故人は入院後2日に旅立たれたそうです。僕はお別れの言葉なども言えなかったのだろうと思い最期に骨壺を触っていただきました。

知り合いのご両親より

けんちゃん 良かったよ。

何かを演奏したり、発表した後に出てくるような感謝の言葉でした。

故人の旅立ちのサポートをするのが僕達の仕事です。屈強な友人達が最後まで強く手を合わせて祈っている姿が印象的でした。

彼らには手を合わせる場所があることはやっぱり必要なんだ。

最後にできなかった会話も返答はないけどこれからずっとしていくんだと思った瞬間でした。

お線香が燃え尽き、お線香の香りがなくなった後、良いにおいがただよってきました。

ふと見るとキンモクセイの花が綺麗に咲いていました。

img_3746

横の生け垣にはキンモクセイ

92歳のおばあちゃんの埋葬は笑い声でつつまれていました。老衰だったそうです。大往生。みんな納得という感じで晴れ晴れした顔を皆さんがしていました。

同日に亡くなった二人の方の差というものはここまで違うものなのかという現実です。

骨がめを持った時の重さは先ほどの方と比べ本当に軽く、

人生を全うした重さに感じました。

38歳のお骨の重さと92歳のお骨の重さを感じた日。お互いはどんな時代を生き、何を見てきたのだろう。

昨日思ったことを書き連ねてみました。それではまた。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋5代目社長の清水健介です。令和元年に5代目就任。学生時代からやってきた納骨回数は2000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国石製品協同組合 理事、東京都石材業政治連盟 幹事長。
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