石のトラブル?石も水を吸い、呼吸する。なんかお肌トラブルに似ているね。

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こんにちは石屋のけんすけこと清水健介です。

CMで肌トラブルっていうフレーズから今日のブログの内容を考えてみました。

それは

お墓のトラブル

お肌のトラブル…

う~ん…。 うまくないダジャレだね。

すいません。さっさと書いていきましょう。

はい。お墓のトラブルに戻ります。テレビのニュースなどでそんな言葉を耳にする機会もありますが、実務で普段から対応している僕らからすると1問1答ではなく、問題も解決策も千差万別。1つ1つの状況を見て判断しなければいけません。

今回はご納骨のご予約をいただいたお墓へ伺った時にお戒名の字彫りができないと僕が判断した事例をご紹介します。

地域によっても色々な言い方があると思いますがこの写真は墓誌※を写したものです。※亡くなった方の戒名やお名前を刻む石碑で戒名碑・過去碑・法名碑などと様々な呼び名があります。

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石の表面が削れている??

平成13年に亡くなられた方のお戒名が彫刻されているのですが、石の表面が荒れていますね。実はこのような状況はよくあることで施行後30~40年経過した石材に起こりやすかったりします。

理由として考えられることは?

石ってすべてが硬いって思いますか?実は同じ石材でも産地・種類が違えば構成されている物質が違うので硬さも全然変わってきてしまうのです。

例えるならなんだろ…。

鉛筆の芯かな?

鉛筆の芯ってまぁある程度硬いですよね。でもHの芯2Bの鉛筆の芯では柔らかさが違いますよね。Hのほうが硬くパキンと折れやすいでしょ。そんな感じで石にも硬さのほかに粘り・吸水率などの要素があるんです。

ちなみにこの墓誌は50年以上も前に建てられた安山岩系の石です。根府川石もしくは小松石と考えられます。

安山岩というのは溶岩が流れて固まったもの。一方で花崗岩というのは地中のマグマ溜まり中で固まった石のことを言います。安山岩のほうが柔らかかったりするんです。今回のような破損は安山岩系で非常に起こりやすいんです。

柔らかい石種は今のように電動工具が発達していない時期に手加工しやすい安山岩系のお墓が圧倒的に関東では多かったんです。

関東では多かった

これ重要です。工具もさることながら昔は輸送技術も当然発達していないため地元近郊で産出される石を多く使う事は至極当然のことなんですよね。

なので東京では箱根山が噴火した時にできた安山岩系の石を多く使っているんです。小松石とかね。ちなみに江戸城の石垣は小松石でできていますよ。

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本小松石 青手 関東屈指の高級墓石材

小松石って色によって価格が違うんです。青(うぐいす色)が一番高いのですが、僕は小さい頃から小松は高いんだよ~と両親から言われて育ってきました…。

余談はさておきこの墓誌の表面なぜなったか。

道具の進歩という切り口が一番合っているのではないでしょうか。

先ほど言ったように加工のしやすさです。どういうことかといいますと、石材は当然地中に埋まっていますし初めから四角形をしているわけではありません。今では大きな大口径カッターをつかって木材を製材するように硬い石材でも切っていきます。こんな感じに

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石材を切る 大口径カッター

当然こんなのは昔はないわけで…。ではどうやって石を切っていったかというと

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原石に穴を無数にあけて このような金具を入れてハンマーで叩く

この図のようにすべての穴にセセリと矢っていうんですが金具を入れて叩くとヒビがピピピっと入って割れるんですよね。

その後のガタガタな表面をこのような道具を使って表面を平らにしてそれから手で磨いていくわけです。

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ビシャン 木の柄を入れて使う

硬い石は加工をするのが本当に大変。なので昔は柔らかい安山岩系の石を使用していたのです。

そういえばTOKIOの鉄腕ダッシュってのはすごい番組で昔ながらの製材のやり方を紹介していました。無人島にトロッコ?が走るための線路下へ石で作った橋をかけるというプロジェクトがありました。その時に石を加工していましたね。そのページがこれ

そんなビシャンで何回も何回も叩いているわけなのでどうしても石への負担が多くなるのです。石って水を吸いそうにないですが、石材は当然のごとく水も吸います。そして加工後30~40年の年月を重ねるなかで微細なヒビに水が入り凍り、真夏の炎天下にさらされ高温になったりを繰り返すとこにょうに破裂してしまうのです。

硬そうに見える石材も水を吸い、呼吸をするんです。

これが僕の建立後の年月から判断しての破損原因への結論ですね。(50年以上が経過していた。)ですのでお施主さんへは事情を説明して、研磨しなおしか墓誌の交換をお勧めすることになります。

その加工された年代によって石材にも色々な事情を知っていないとなかなかご説明できないので日々勉強をする毎日であります。

それではまた。

この記事を書いた人

清水 健介
清水 健介この記事を書いた人
創業明治10年東京都上板橋の石材店清水屋専務の清水健介です。5代目予定。学生時代からやってきた納骨回数は1000回を超える。お墓、石のことなら何なりとご相談をいただければと思います!お墓を作ったはいいけど、コケだらけなんか嫌!“また会いに行きたくなるお墓つくり”を提案しています。髪がくるくるしているけどパーマじゃない。これは無料パーマだといいつづけている。全国優良石材店の会 東京支部、東京都石材業政治連盟幹事。
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